
内容
東田直樹さん(『自閉症の僕が跳びはねる理由』作者)による、幼稚園時代を振り返ったエッセイです。自閉症の子どもが見ている幼稚園生活の様子や、その時に感じた気持ちが描かれています。
発達障害のある子どもの心を知るための貴重な内容であるだけでなく、保育者の率直な悩みに著者が答えるQ&Aも収録してあり、参考になります。
感想
よく、支援者の心得として、「子どもの気持ちに寄り添う」「温かい気持ちで見守る」といったことを言われますが、具体的にはどういう行動を指すのだろうとちょっと思っていました。ですが、この本を読んで、「寄り添う」の本質が少しわかった気がします。
とても読みやすく、あたたかいエッセイです。一つひとつの文章がまるで詩のようで、子ども目線の感性に感動します。どの子どもも、世界をこうやって感じながら大きくなるんだなあと、悲しくないのに涙が出てきました。そして、障害のあるなしに関わらず、支援・教育に必要なのは何よりも「愛」なんだと、すっと心に入ってきます。
「いるかプリント」も、子どもたちの気持ちに寄り添うあたたかいプリントにしたいと感じました。
支援に関わる幼稚園の先生だけでなく、小中学校の先生や保護者の方にもおすすめの一冊です。
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だから毎日、幼稚園に通えたー自閉症の僕の子ども時代ー
東田 直樹 (著)/世界文化社