本が読めない33歳が国語の教科書を読む

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本を読んだことがないという33歳のみくのしんさんが、代表的な教科書の作品を、一文一文ていねいに読んでいくという本です。
大ヒットした第一弾の『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』は未読、著者のYouTubeやSNSも見ていませんが、この本単独でも十分楽しめました。

国語に「不安」があったみくのしんさんの、驚くほど豊かな読み方

小中学校時代のみくのしんさんは、国語の授業中に「スティックのりをひたすら縦に、床から積み上げていた」ような子どもだったそうです。教科書を触ると、当時の「たくさんの不安な気持ち」がよみがえるとも語っています。

しかし、そんなみくのしんさんの、33歳にして初めて読む読み方の、なんて豊かで深いこと!
子どものころから本を読むのが好きだった私などより、ずっと深く作品と向き合っていて感動します(みくのしんさんもよく泣きますが、その様子を読んで私も泣きそうになりました)。

その感性や解釈に笑いながら驚くと共に、「どうしてこれを『学校』ではできなかったのかな」と思うと、少しさみしい気持ちにもなりました。
その理由はきっと、「時間がないから」「寄り添って一緒に読む人がいないから」が大きいのでしょう。けれど、それで片付けていいことでもないな、と考えさせられます。

『枕草子』の言葉に、「自分の体験」で迫る

特にすごいと感じたのは、『枕草子』に出てくる「山ぎは」と「山の端」の違いの読み解き方です。

古典の言葉の意味なんて、教科書の下(注釈)を見て終わりという人が多いのではないでしょうか。しかし、みくのしんさんは、安易に注釈に頼ることなく、二つの言葉の違いについてとことん考えます。
調べてわかった気になるのではなく、自分の体験から考える。
これこそが、まさに「今の子どもたちに必要な力」なのではないかと思います。そして何より、ただ言葉の意味を調べるより、ずっと楽しそうです。

学校の先生にもおすすめ

「作者と向き合う」とか、「深く読む」とか簡単に言うけれど、実際にはどういうことかよくわからない。そんな風に思っていましたが、みくのしんさんの読書は、まさにそれを体現していると思いました。
国語や、読むことが苦手という子どもの、無限の可能性を感じます。
学校の先生方にも、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。

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本が読めない33歳が国語の教科書を読む~やまなし・少年の日の思い出・山月記・枕草子
かまど (著), みくのしん (著)/大和書房

Author
いるか

「いるかプリント」の管理人・編集者です。大手教材出版社の編集者として、国語の教材や教科書、特別支援教材などを20年以上にわたり制作してきました。現在は独立して活動中。小学校や放デイでの学習支援、学校司書経験もあります。だれもが楽しく学べる教材を作ることが目標です!