【相談室】ひらがな・かたかな・漢字、どのような順序で学習するとよいでしょうか

特別支援学校で、小学5年生女児の学習を見ている教員です。最近、ひらがなの読み書きができるようになってきた児童ですが、ひらがなより、かたかなや漢字の方が書きやすそうで、ひらがなの練習はしたくない様子です。保護者からは「ひらがなは書けるようにさせたい」という要望もあり、どんな文字の学習が適切なのか迷っています。

いるか先生
いるか先生

日本語は、文字の種類が多いので学習事項も多いですね。学校では、ひらがなから順に学習していきますが、ひらがなが終わらないと漢字に進めないのでしょうか。

子どもの興味関心を大切に

文字学習の初期の段階では、大人が学ばせたいものというよりは、お子さんが興味を持っている文字を練習するということが大切かもしれません。例えば、ポケモンが好きなお子さんであれば、好きなポケモンのキャラクターの名前ならば読みたい、書きたいと思うかもしれません。その場合は、かたかなの学習から始めてみるのがよさそうです。

また、家族やお友達の名前に興味があるのであれば、人の名前に出てくるひらがなや漢字に興味があるかもしれません。興味を持つ範囲が狭い、限定されているという特徴が強いほど、子ども本人が興味を持つものに合わせた教材を用意することが必要になってきます。

子どもは、日々成長して変化をしていきますので、興味を持つ文字なども変化していきます。その子どもの興味に合わせて、生活に役立つ文字を学べるように教材を工夫していけるとよいでしょう。

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保護者と学校の連携

保護者が家庭で文字の学習をさせるという時間もあるでしょうし、学校と家庭が共通の理解をしていることは大切なことです。
保護者にも文字学習における子どもの特徴を説明して、理解してもらうことが必要だと思います。

まとめ
  • 子どもの興味関心に寄り添いましょう。必ずしもひらがなから順番に学習しなければいけないわけではありません。
  • 成長によって変わっていく興味関心に目を向けましょう。
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公認心理師,臨床心理士。博士( 教育学)。療育支援センター等で心理士として勤務し,発達障害児者の診断,療育,保護者の相談などを担当。幼稚園,保育園,学校,特別支援学校の巡回相談にも携わる。